4月10日、ホームポジション株式会社(2999)が株主優待を実施予定を発表しました。
内容は
1000株以上の保有者にクオカード2万円分です。
これがきっかけで4月11日、ホームポジションの株価はS高に。
一気に80円値上がりし、一株430円となりました。
しかし、ストップ高になったのもつかの間
第2のRevolutionとなるのではないかと一部の投資家ではまことしやかに囁かれています。
そのためホームポジションも、優待を実施することなくやめるのではないかと不安がる声もあります。
そこで現在のホームポジション株式会社について一投資家からの目線で書いていきたいと思います。
ホームポジション株式会社とは
ホームポジション株式会社とは静岡、浜松、愛知を中心に分譲住宅を販売する会社です。
4月11日の終値は430円、発行済株式総数は9,360,198 株で約930万株です。
なので時価総額は430円×9,360,198 株=4024885140円→約40.3億円です。
ここで流動資産と負債を見てみましょう。
4月10日発表の決算短信を見ると
流動資産の合計が130.8億円、負債の合計が81.6億円となっています。
つまりネットキャッシュは130.8-81.6=49.2億円となります。
これは純粋に会社内に49.2億円の資産があるよというイメージ。
時価総額が40.3億円なので、ネットキャッシュ比率は49.2/40.3=1.22ですね。
1以上であるのでこれはお買い得株ということになります。
分かりやすく例えるなら、40.3億円で売られている財布の中に49.2億円入っている。
みたいな感じ。
ここまでの数字を見ると、会社にプールされている資産は十分だし、そんなにやばい感じはしません。
しかし重要なのはここから。今回の株主優待についてみてみましょう。
株主優待を深堀してみる
冒頭に述べましたがホームポジション株式会社は8月末日に株主優待を実施すると発表しました。
内容が
1000株以上の保有者にクオカード2万円分です。
仮にすべての株が1000株単位で保有されているとすると、
- 対象株主数 = 9,360,198 ÷ 1,000 = 9,360人
- 優待総額 = 9,360人 × 20,000円 = 187,200,000円(約1.87億円)
優待だけで約1.9億円を使うことになります。
もちろんこれは仮にすべての株が1000株単位で保有されていた場合なので最大値となります。
しかし、それにしてもかなりの高コストだと思います。
4月10日発表の決算短信記載の当期純利益の予想が1.5億円です。
- 当期純利益の予想が 1.5億円
- 優待のコスト(1.87億円)がこれを完全に上回ってる
つまり、純利益を超えるコストを株主優待に使うことになってしまうんです。これは財務的にかなり無理がある。
今回の株主優待をまとまると
- 「全株主が1000株以上保有」っていう前提は現実的ではないけど、それにしても高コスト。
- よほど一部の大口株主に限定しない限り、この優待制度は持続性に欠ける可能性が高い。
- 経営陣が実施するなら、優待対象の範囲や条件を絞る必要があると考える。
と個人的には思いました。
こういった優待は投資家としては嬉しいけど、企業の健全性を考えると一歩引いて見ないといけないところだなと感じます。皆さんはどう思いますか?
個人的予想
ここからは完全に独自の見解になります。
個人的には8月末までには、どこかのタイミングで一株504円近くまで上昇するのではと考えています。
しかし、上昇したのもつかの間、優待実施前に下落することになると思います。
それは「優待が実施されないのではないか」という投資家の不安による売りが増えると予想されるからです。
投資家は大きい優待に喜びますが、大きすぎる優待には疑心暗鬼になります。ましてやRevolutionの件もあるので尚更です。
なので個人的には、買うなら4月、もしくは投資家の不安が爆発して大きく下落したときで、優待実施前に売り抜けるのがいいかなと思いました。もちろん優待実施してくれるのが一番いいのですが、「やっぱり優待実施しません」となった時のダメージは計り知れないのでそうなる可能性も視野に入れておいた方がいいと考えています。
この記事が役に立ったら幸いです。